
行政書士 西浦 邦子
日本行政書士会連合会 兵庫県行政書士会阪神支部
この記事の執筆者:行政書士 西浦 邦子
一般民事に精通した法の知識と実務経験で、行政書士業務を行っております。建設業許認可申請全般のサポート業務について許可取得のご相談から作成までワンストップで対応させていただいております。LGBTQなどのマイノリティと周囲の方のサポートも行っております。
任意後見制度は、空き家を所有している方が判断能力に不安のないうちから将来に備えた対策を講じることができるため、空き家問題を未然に防ぐための「予防策」として非常に有効です。
この制度の最大のメリットは、自分自身で「空き家をどうするか」をあらかじめ決めておける点にあります。たとえば、「将来、施設に入所した際にはこの家を売却し、その代金を私の介護費用に充ててほしい」といった具体的な希望を、任意後見契約書に明記することが可能です。
さらに、家族が遠方に住んでいる場合や多忙で対応が難しい場合には、空き家問題に精通した専門家を任意後見人として指名しておくことで、将来の空き家管理を安心して任せることができます。
法定後見制度のように家庭裁判所が後見人を選任するわけではないため、本人の意思が最大限に尊重されるという点も、任意後見制度の大きな特徴です。
その結果、将来的な「争族」や「負動産」化を防ぐことが可能となり、安心して暮らしを継続するための有効な手段となります。