行政書士 西浦 邦子
日本行政書士会連合会 兵庫県行政書士会阪神支部
この記事の執筆者:行政書士 西浦 邦子
一般民事に精通した法の知識と実務経験で、行政書士業務を行っております。建設業許認可申請全般のサポート業務について許可取得のご相談から作成までワンストップで対応させていただいております。LGBTQなどのマイノリティと周囲の方のサポートも行っております。
相続土地国庫帰属制度却下要件の一つに、「他人が通行・通過・利用することが予定されている土地」があります。これは、申請者が単独で自由に使用・処分できない土地を指し、以下のような例が該当します。
| 土地の種類 | 使用実態 | 却下理由 |
|---|---|---|
| 私道(通路) | 近隣住民の通行 | 他人の通行権があるため |
| 水路・排水路 | 地域の排水利用 | 公共性が高く、勝手に処分できないため |
| 地役権設定地 | 他人の通行・通過権 | 地役権により制限があるため |
| 通学路・生活道路 | 地域住民の利用 | 実質的に公共インフラとして機能しているため |
これらの土地が該当するかどうかは、住宅地図等を一目見ただけでは判断が難しい場合があります。そのため、公図・地積測量図・登記簿謄本・市区町村が管理する都市計画基本図などの確認に加え地元の利用実態に関する情報の収集・共有も必要となることがあります。
*「使用が予定される」とは、現に使用されていなくても、将来的に使用される可能性がある場合も含みます。
*「地役権」や「通行慣習」があるかどうかは、登記簿だけでなく現地調査や近隣聞き取りも有効です。



