
行政書士 西浦 邦子
日本行政書士会連合会 兵庫県行政書士会阪神支部
この記事の執筆者:行政書士 西浦 邦子
一般民事に精通した法の知識と実務経験で、行政書士業務を行っております。建設業許認可申請全般のサポート業務について許可取得のご相談から作成までワンストップで対応させていただいております。LGBTQなどのマイノリティと周囲の方のサポートも行っております。
相続土地国庫帰属制度は現在の時点で承認件数が1,486件となっています。
加えて、価格が低い空き家や山林などを民間業者が有料で引き取るサービスも増えているようです。民間業者に対する「負動産」の引き取り件数は2023年に約240件、2024年において約400件あり一年間でおよそ1.7倍となり年々増加傾向です。
国土交通省によると、全国で59社の民間業者が「引き取りサービス」を手掛けておりその3割強は「宅地建物取引士の資格が無い」業者が行っており、いわゆる「負動産」を巡って高額引き取りや管理不全への懸念の声が上がっているようです。さらに国交省の担当者は「宅地建物取引業法が想定する取引に当たらず法の規制が及ばない可能性がある」との考えを示しているようです。
A県在住の50代女性のトラブルの例は、2023年に高齢の父が持つ同県内の2つの土地およそ1,700㎡を引き取り業者に売却すると決めて支払った手数料は合計80万円超という高額なものでした。土地の一部は道路沿いの斜面に木が生えていて「災害時に倒木が原因で通行人が負傷した際に賠償することを考えると、一刻も早く手放したかった。」と振り返る。「他の方法で引き取り手を探したが、難しかった。」と話されています。
価値の低い空き家や空き地、山林でも保有を続ければ固定資産税などの負担が発生するため売りたくても直ぐに買い手を見つけるのは難しいようです。