行政書士 西浦 邦子
日本行政書士会連合会 兵庫県行政書士会阪神支部
この記事の執筆者:行政書士 西浦 邦子
一般民事に精通した法の知識と実務経験で、行政書士業務を行っております。建設業許認可申請全般のサポート業務について許可取得のご相談から作成までワンストップで対応させていただいております。LGBTQなどのマイノリティと周囲の方のサポートも行っております。
「カミングアウト」とは、これまで言わなかったこと、個人的状況を他者へ伝えることです。性的指向、性自認の文脈では、自身が性的マイノリティであることを打ち明けるときに使います。
出生時の性別は、生まれたときにその外性器の形状を見て決められ、人生のゴールまでその時に割り当てられた性別で生きるようにレールが敷かれます。現在の日本社会では、子どもたちは多くの場合、「シスジェンダーで異性愛である」そして「そうでないことは、歪んだ、望ましくない状態である」という2つの大前提の中で育てられているようです。
性的指向や性自認は外見では分からないのでたとえ成長過程で自分が「シスフェンダーで異性愛である」という前提にあわないと思っても、現在の社会において自分のセクシュアリティを隠したまま息を潜めて生活するしかありません。
カミングアウトとは、そんな身動きの取れない状況から脱出して少しでも楽に息をしたい、という試みであり、まさに自己と社会との関係性の再構築という大仕事なのです。
また、何をカミングアウトするか、その内容は身体の性、性自認、性的指向、性表現どれをするかは、「表現の自由」の原則に沿って言えば、他人が口を出す問題ではなく自分で決めていいことです。
- シスジェンダーとは、出生時に割り当てられた性別と自分が認識する性別が一致している人を指します。