公開日:

相続において、同性パートナーに法律上の保障はない!

行政書士 ​西浦 邦子

行政書士 ​西浦 邦子

日本行政書士会連合会 兵庫県行政書士会阪神支部

この記事の執筆者:行政書士 ​西浦 邦子

一般民事に精通した法の知識と実務経験で、行政書士業務を行っております。建設業許認可申請全般のサポート業務について許可取得のご相談から作成までワンストップで対応させていただいております。LGBTQなどのマイノリティと周囲の方のサポートも行っております。

法に則った法定相続もしくは相続人による遺産分割協議となる。(全員の同意が必要となり、決まらない場合は家庭裁判所の審判が必要となるケースも)
同性パートナーは法定相続人になれず、法定相続や遺産分割協議に参加することもできません。

遺言があれば、同性のパートナーにも遺産が「比較的」スムーズに渡すことができる。

~同性パートナーの将来に起こりうるトラブルと対策~

起こりうるトラブル

  • パートナー側の親族と遺産相続をめぐって争う。
  • パートナー名義の家を相続した相続人から、家を追い出されてしまう。
  • 共同で経営していた事業から締め出されてしまう。
  • パートナー名義の預金を引き出せなくなり、日々の生活にも困窮してしまう。
  • パートナーが事件・事故で亡くなっても公的な遺族補償が認められない。

対策

公正証書(遺言書、財産管理等契約、任意後見契約等)を作成する。

公正証書遺言は社会的な信用が高く公証人により、作成するため無効になる心配がまずありません。自筆証書遺言だとあらぬ疑いや無効の訴えを起こされてしま可能性があります。
また、遺留分侵害への備え、遺贈の仕方(全部包括遺贈、特定遺贈など)、祭祀主催者の指定、付言事項の記載なども考慮するとよりトラブル防止へつながります。

生命保険の受取人をパートナーにする

すでに生命保険を契約している場合でも、内容証明郵便等で生命保険会社へ直接意思表示することにより受取人をパートナーへ変更することができます。但し、非課税枠の適用、生前の所得税の生命保険料控除を受けることはできないため税の負担部分を考慮する必要があります。