公開日: 2024.09.12

同性婚は民法の明文で禁止されていない!

行政書士 ​西浦 邦子

行政書士 ​西浦 邦子

日本行政書士会連合会 兵庫県行政書士会阪神支部

この記事の執筆者:行政書士 ​西浦 邦子

一般民事に精通した法の知識と実務経験で、行政書士業務を行っております。建設業許認可申請全般のサポート業務について許可取得のご相談から作成までワンストップで対応させていただいております。LGBTQなどのマイノリティと周囲の方のサポートも行っております。

民法は婚姻の成立要件として、「当事者」が戸籍法の定める通りに婚姻の届出をすること(民法739条)。また、「当事者」に婚姻をする意思があることを求めています(民法742条)。これらの条文で民法は「当事者」と定めるだけで「男女」とは定めていません。また、民法は違反すると婚姻届が違反すると受理できない場合を次のとおり定めています(民法740条)。

(例)

  • 婚姻適齢(民法731条)・・・・・・・・
    婚姻は18歳にならなければすることができない。
  • 重婚の禁止(民法732条)・・・・・・・
    配偶者のいる人は重ねて婚姻をすることができない。
  • 近親間の婚姻の禁止(民法734条)・・・
    直系血族又は3等親の傍系血族の間では婚姻することができない。など

このように民法で同性婚がはっきりと禁止されているわけではありません。しかし、今の国や自治体の扱いではできないと解釈されているため(憲法24条及び戸籍法による)、残念なことに実際。同性同士の婚姻届が出されても受理されていません。民法上の明文により禁止はされていないものの同性婚が否定されると解釈される理由として、同性同士では社会通念上夫婦であると認められる関係の設定を望む意思が欠けているという説もあるようです。しかし夫婦についての「社会通念」は時代がかわり社会が変われば変わります。「社会通念」が人権を侵害するのならその「社会通念」を改善すべきでありまた法改正や社会的な認識の変化が求められます。

  • 夫婦についての「社会通念」とは、一般的に社会で広く受け入れられている考え方や価値観を指します。(共同生活、相互扶助、法的保護、社会的認知など)